次に、片手で二声部を演奏する、
多声演奏の技術が含まれる練習に、
歩を進めて行きます。
組み合わせは二通り。
上声と中声、中声と下声ですが、
中声部は左右の手で、
取り分けて弾く技術が含まれるので、
一声帯での練習時に、
しっかりさらっておくことが大切です。
上記組み合わせの練習では、
欠けている声部によって、
聴覚的に、
其々異なった難しさを感じるでしょう。
中声・下声の組み合わせでは、
主旋律になる上声が欠けることによる、
不完全さのようなもの。
上声・中声の組み合わせでは、
主旋律はありますが、
下声が欠けていることで、
常に足元がグラグラしてるような、
何とも言えない不安定さのようなもの。
つまり、
多声の組み立て方 その②において、
まず、両外声での練習を勧めた理由は、
技術的な難易度も去ることながら、
両外声での演奏が、
聴覚的に最も捉えやすいからなのです。
因みに、シンプルな三声の作品の場合、
中声の旋律は、
上声と共に右手で演奏される割合が、
圧倒的に多いでしょう。
ついでに、
中声を其々の手が担当する部分を弾き、
つまり、
右手の練習、左手の練習をしてみると、
大きなプラスαがあると思います。