多声楽の組み立て方 その③

次に、片手で二声部を演奏する、

多声演奏の技術が含まれる練習に、

歩を進めて行きます。

 

組み合わせは二通り。

上声と中声、中声と下声ですが、

中声部は左右の手で、

取り分けて弾く技術が含まれるので、

一声帯での練習時に、

しっかりさらっておくことが大切です。

 

上記組み合わせの練習では、

欠けている声部によって、

聴覚的に、

其々異なった難しさを感じるでしょう。

 

中声・下声の組み合わせでは、

主旋律になる上声が欠けることによる、

不完全さのようなもの。

 

上声・中声の組み合わせでは、

主旋律はありますが、

下声が欠けていることで、

常に足元がグラグラしてるような、

何とも言えない不安定さのようなもの。

 

つまり、

多声の組み立て方 その②において、

まず、両外声での練習を勧めた理由は、

技術的な難易度も去ることながら、

両外声での演奏が、

聴覚的に最も捉えやすいからなのです。

 

因みに、シンプルな三声の作品の場合、

中声の旋律は、

上声と共に右手で演奏される割合が、

圧倒的に多いでしょう。

 

ついでに、

中声を其々の手が担当する部分を弾き、

つまり、

右手の練習、左手の練習をしてみると、

大きなプラスαがあると思います。