バロック音楽の導入教材として、
長年愛用させていただいている、
プレインベンション。
第1~5番のミニアチュア フーガは、
初心者がフーガを知るための、
非常に良い教材だと、
あらためて感心させられています。
主調で始まる主題は、
お手本通り属調で模倣され、
その後の近親調への転調も、
調性判別が非常にわかりやすく、
シンプルに作曲されています。
30小節に満たない5つの作品の中には、
テーマの反行形、
拡大形、密集進行など、
フーガに於いて重要な展開技法が、
多数含まれているので、
この5曲を緻密に勉強すれば、
本格的なバロック音楽の勉強のために、
とても良い足掛かりとなります。
作曲者ローリー(イギリス)が、
どのような意図でこの曲を作曲したか、
その詳しい資料はないのですが、
曲集にこの5曲を加えた、
編纂者日下部憲夫氏共々、
ただただ素晴らしくありがたいな…と。